はじめに
PC向けのTVチューナーはいろいろなメーカーが製造していますが、
ドイツのDigital Devices社のMax M4はいろいろな放送波に対応しており、安定もしているようです。
ただ、とても高いです。
これまではUSB接続のチューナーを使っていましたが、チューナー不足になることがたまにあったので、
複数ch対応のチューナーを検討していました。
5月に期間限定で5%クーポンがあったので(5ch情報)購入しました。
最近、真ん中の端子がF型コネクタにリニューアルされたようです。
購入
DD社のサイトから購入しました。 EURでの支払いは36000円程度、配送業者(DHL)への支払いは2800円でした。 だいたい1週間程度で届きました。
品目 | 価格 |
---|---|
Max M4 | 251.26 EUR |
クーポン5% | 12.56 EUR |
配送手数料 | 28.72 EUR |
輸入消費税 | 1,700 JPY |
立替納税手数料 | 1,100 JPY |
セットアップ
環境
配線
DD Max M4には5つの端子があります。 地上波(ISDB-T)及びCATV(ISDB-C)は真ん中の端子に接続することで、4チューナー利用可能です。 衛星放送では、残りの4つの端子を使うようです。
今回は真ん中の端子のみに接続し、地上波の受信を行います。
チューナーセットアップ
ドライバインストール
チューナーのドライバはLinuxカーネルには組み込まれていないので、
DD社の公式ドライバをインストールする必要があります。
参考: Build and install the dddvb driver under Linux (DVB)
Arch Linuxでは、AURにあるパッケージ(dddvb-dkms)でインストールできました。
ドライバをインストール後、再起動するとドライバが認識されます。
$ lspci -v (中略) 04:00.0 Multimedia controller: Digital Devices GmbH Device 000a Subsystem: Digital Devices GmbH Device 0050 Flags: bus master, fast devsel, latency 0, IRQ 95 Memory at b0600000 (64-bit, non-prefetchable) [size=64K] Capabilities: <access denied> Kernel driver in use: ddbridge Kernel modules: ddbridge
また、/dev/dvb/
配下を見るとアダプタが4つ認識されていることが確認できます。
$ ls /dev/dvb/ adapter0 adapter1 adapter2 adapter3
受信確認
DVBv5 Toolsのコマンドを使って受信状態を確認していきます。 Arch Linuxでは、v4l-utils パッケージにコマンドが含まれています。
一般ユーザでチューナーをオープンするには、videoグループに追加する必要があります。 下記のコマンドなどで追加できると思います。
$ sudo gpasswd -a $USER video
dvb-fe-tool コマンドでは、チューナーの情報を取得できます。
オプションで-a 0
を指定するとadapter0の情報を取得できます。
$ dvb-fe-tool -a 0 Device M4 (/dev/dvb/adapter0/frontend0) capabilities: CAN_2G_MODULATION CAN_FEC_1_2 CAN_FEC_2_3 CAN_FEC_3_4 CAN_FEC_4_5 CAN_FEC_5_6 CAN_FEC_7_8 CAN_FEC_AUTO CAN_GUARD_INTERVAL_AUTO CAN_HIERARCHY_AUTO CAN_INVERSION_AUTO CAN_MUTE_TS CAN_QAM_16 CAN_QAM_32 CAN_QAM_64 CAN_QAM_128 CAN_QAM_256 CAN_QAM_AUTO CAN_QPSK CAN_RECOVER CAN_TRANSMISSION_MODE_AUTO DVB API Version 5.11, Current v5 delivery system: ISDBT Supported delivery systems: DVBC/ANNEX_A DVBC/ANNEX_B DVBC/ANNEX_C ISDBC (null) DVBT DVBT2 [ISDBT] DVBS DVBS2 ISDBS Frequency range for the current standard: From: 950 kHz To: 865 MHz
dvbv5-zapコマンドで放送波を受信してみます。
このコマンドでは、設定ファイルが必要になります。
dvbconf-for-isdb レポジトリ内の conf/dvbv5_channels_isdbt.conf
を使用しました。
adapter3で物理チャンネル25を受信する例は下記のようになります。 Lockと表示されれば正常に受信できています。 物理チャンネルがわからない場合はdvbv5-scanでスキャンできます。
$ dvbv5-zap -a 3 -c dvbv5_channels_isdbt.conf -r -P 25 using demux 'dvb3.demux0' reading channels from file 'dvbv5_channels_isdbt.conf' tuning to 545142857 Hz pass all PID's to TS dvb_set_pesfilter 8192 dvb_dev_set_bufsize: buffer set to 6160384 (0x00) Signal= -52.53dBm C/N= 0.00dB UCB= 0 Lock (0x1f) Signal= -54.83dBm C/N= 31.27dB UCB= 0 Lock (0x1f) Signal= -54.83dBm C/N= 31.27dB UCB= 0 DVR interface '/dev/dvb/adapter3/dvr0' can now be opened Lock (0x1f) Signal= -54.83dBm C/N= 32.07dB UCB= 0 preBER= 0
これで放送波が受信できることを確認できました。
まだ買ったばかりですが、今のところは安定して動作していそうです。